病院医療・介護業界M&Aはスタートしたばかり
正しい知識と豊富なノウハウを持つ専門家に相談を

医療法人や病院の母数の少なさから、民間企業のM&Aに比較して、事例が少ない病院医療業界。一方の介護業界も、介護保険制度スタートから数十年と、こちらはマーケット自体がまだまだ未成熟です。加えて、医療法の規制や行政の許認可の伴う病院医療・介護業界M&Aには、高度な専門知識やノウハウが必要。M&Aを検討するにあたって、理事長・院長・オーナーにぜひ注意してほしいポイントをまとめました。

秘密保持の徹底

M&Aを実施する際、情報漏洩リスクは最小限に抑えるべきもの。しかし、病院医療・介護業界の秘密保持への意識は、残念ながら他の業界よりも低い傾向にあります。秘密保持の意識が低いと、病院ブローカーを頻出させてしまい、風評被害により自己の利益も損なわれる恐れがあります。顧問会計事務所や金融機関、M&A専門コンサルトへの相談をお勧めします。

病院ブローカーの兆候

兆候 裏に隠れた事情
秘密保持契約の話がでてこない 情報漏洩リスクへの意識が低い可能性
譲渡価格を安易に保証する 値段は買い手との交渉。M&Aのステップを知らない可能性
「誰々を知っている」等の他力本願姿勢 その人の手先として動いている可能性。M&Aを進めても、こちらの要望をきちんと聞いてくれるか疑問
「○○出身」をやたら強調する M&A仲介の経験がない、ほとんどない可能性
初回面談で買い手の名前を出す その買い手にしか打診できない可能性
料金体系がない M&Aをきちんとしたビジネスとして認識していない

不動産の考え方
適正価格の把握

不動産を収益に結びつけるためには、流動性を高く保つ必要があります。しかし、病院の不動産は極めて流動性が低く、老朽化の進んだ土地建物である場合は、買い手側に今後の改修コストも考慮した上での価格を提示される場合も。譲渡価格の交渉前に、適正価格を認識しておくことが重要です。

行政手続きのスケジュール把握や
根回し、説明が重要な介護事業

介護事業は行政の許認可ビジネスであるため、M&Aの際には行政への根回しや説明が必要。行政手続きのスケジュールを知らずにM&Aを進めるのは危険です。M&Aには「株式譲渡」(医療法人の場合は出資持分譲渡)と「事業譲渡」があり、特に事業譲渡の場合は、事業の廃止と開始を同時に行わなければ、介護報酬の請求漏れが発生したり、人員配置や施設基準に付随する不正請求があれば、許認可自体が取り消されたりといった懸念もあります。介護業界ならではのリスクとして、細かく目を配る必要があります。

M&Aの事例数が少なく、事例集や手引書も整備されていない病院医療・介護業界M&A。医療と介護の連携・融合の機運が高まるなかで、双方を横断的に手がけ、かつ個別のサービスについても熟知する専門家に、ぜひ相談を!

次は「病院医療業界のM&A」へ