今回は若い経営者のM&Aの事例をご紹介させて頂きます。

社長様の年齢は40歳、ご自身が理学療法士であるという技術を活かし、病院勤務から独立開業。初回のご面談時で創業から12年が経過し訪問看護、訪問リハビリ、リハビリ特化型デイサービス合計5施設を運営、極めて順調に業容を拡大していました。尚、財務内容は無借金、売上、利益は最高値を達成していました。私も当初、年齢も含めなぜM&Aを検討する必要があるのかわかりませんでしたが、お話を聞き進めていく中で、非常に私も納得感を持つことが出来ました。

さらなる企業成長と従業員のキャリアプランに夢を与えることが自分の役目

具体的に社長様が考えられていた事とは、ここまで(5施設で最高業績)は独力で辿り着く事が出来た、然しながら今後更なる成長を検討していく中で、将来の介護報酬改定等のマイナスの影響、異業種からの参入による競争の激化にさらされながら独力で新施設開設も含めた成長シナリオが描けなくなってきた、そして何より経営者の大事な役割は頑張っている従業員に企業を成長させて更にステップアップするためのポストや役割を与え続けなければならない。その為には、「最高業績を達成した今」動かなければならないと力強くお話をして頂きました。

社長の理想重視のマッチング

そして実際に契約をさせて頂き、多くの候補先の中から社長様とミーティングを重ね、絞り込んだお相手とマッチングを進めていきました。当初は異業種の名門大手企業様との商談が順調に進んでいきましたが、社長様がのぞむM&Aスケジュールと大企業様が想定するスケジュールが大幅にかい離しており、この溝を埋めることができなかったため候補先を見直すことになりました。そこで弊社は、以前より社長様が掲げる理想像、「在宅医療×訪問看護×訪問リハビリ」三位一体型のサービス提供ができるようなビジネスモデルを構築したいとお話されていた事を思い出し、候補先として「医療法人」を提案させて頂きました、お相手となった医療法人は北海道と東京・神奈川・埼玉で病院と在宅クリニックを複数展開しているグループです、こちらの医療グループの経営者は医師ではありませんが理事長を務められており「超」がつく「名経営者」です。この名経営者様と社長様の間には親子ほどの年齢差がありましたが、息はぴたりと合い、その後は3カ月程度で無事に成約となりました。

譲受法人の幹部となり、継続して会社を率いる

現在は、上記した三位一体型の新設が譲渡契約のたった5カ月後である先月5月に新規オープンし、社長様は大手の医療法人グループの幹部として迎え入れられ現在も常務取締役として会社を率いてらっしゃいます。

次のステージに向かうこの社長様を今後も応援していきたいと思います。

 

※高齢者住宅新聞6月24日号から一部転載
AUTHOR PROFILE

営業本部 医療介護支援部 部長

谷口 慎太郎

大手金融機関、投資銀行を経て2009年に日本M&Aセンターに入社。医療・介護を中心としたヘルスケア領域での投融資やM&Aを数多く手掛け、これまで関与したM&A成約実績は50件を超える。主宰する医療・介護M&Aセミナーでは、現場経験に基づいた講演が毎回好評。最新の業界動向・M&A事例やスキーム解説など、ヘルスケア関連雑誌への寄稿も多数行っている。